ClearType 有効でも、日本語フォントに効果が見られない理由

ClearType は、Windows XP から使えるようになった文字に使われるアンチエイリアシング技術です。

この ClearType が有効になっていても、英字フォントではギザギザが滑らかになって綺麗に表示されるのを実感するが、日本語フォントでは実感せず、日本語フォントには ClearType の効果が見られないと感じているユーザーもいるかと思います。

その理由は、フォントの表示サイズによって ClearType の効果が出ないからです。

フォントが全く ClearType に対応していないため、ClearType の効果が出ない場合がありますが、ここでは ClearType に対応している英字フォントと日本語フォントに限るとします。

英字フォントでは、フォントサイズが小さくても ClearType の効果が出ますが、日本語フォントではフォントサイズが小さいと ClearType の効果が出ません。

なぜなら、日本語フォントは漢字等の複雑な文字が多いため、フォントサイズが小さい場合は、文字が潰れずに見やすいようにし、かつ高速に表示できるようビットマップフォントが使われているからです。

ビットマップフォントに対しては、ClearType の効果は出ません。そのため、日本語フォントに ClearType の効果が見られなくなります。

日本語フォントでも、フォントサイズを大きくすれば ClearType の効果が出ます。Windows XP では、フォントサイズ16まではビットマップフォントが使われますので、フォントサイズを18以上にすれば ClearType の効果が見られるようになります。

しかし、一般的にはフォントサイズは10程度が使われ、フォントサイズ18以上は大きすぎるため、実質日本語フォントでは ClearType の効果は見られない事になります。