全ての出力端子から出力できない理由はビデオカードによって異なりますが、たいていはクロックジェネレーター(クロックソース)にあります。クロックジェネレーターは、出力端子から出力される必要があるタイミングソースを生成します。
どのインターフェース規格もタイミングソースを必要としますが、インターフェース規格の違いによって必要なタイミングソースの条件が異なり、関連して必要なクロックジェネレーターの条件も異なります。
以下は、出力端子のインターフェース規格と、必要なタイミングソース、クロックジェネレーターに関する条件をまとめた表です。
規格 | タイミングソース | クロックジェネレーター |
---|---|---|
D-sub 15pin (アナログ RGB、VGA) |
個別のタイミングソースが必要 | 個別のクロックジェネレーターが必要 |
DVI-D (DVI24pin) |
個別のタイミングソースが必要 | 個別のクロックジェネレーターが必要 |
DVI-I (DVI29pin) |
個別のタイミングソースが必要 | 個別のクロックジェネレーターが必要 |
HDMI | 個別のタイミングソースが必要 | 個別のクロックジェネレーターが必要 |
DisplayPort | 個別のタイミングソースは不要で、複数の DisplayPort から出力する場合でも1つのタイミングソースがあれば良い | クロックジェネレーターは必要なく、リファレンスクロックから生成したタイミングソースを使う |
個別のタイミングソース(クロックジェネレーター)が必要という事は、複数の出力端子から出力するなら、出力する数の分だけタイミングソース(クロックジェネレーター)が必要という事です。
DisplayPort は他とは違っており、複数の出力端子から出力する場合でも、タイミングソースは1つあれば十分です。また、DisplayPort のタイミングソースの生成にクロックジェネレーターは必要なく、クロックジェネレーターのリファレンスとして使われているリファレンスクロックからのタイミングソースがあれば出力できます。