Bluetooth のバージョン
Bluetooth 4.0 対応機器と、Bluetooth 3.0 以前のバージョンに対応している機器の組み合わせの場合、通信が可能なのか、すなわち互換性があるのか、その答えは機器によって異なります。つまり、通信が可能である場合もあれば、通信できない場合もあります。まず、Bluetooth のバージョンについてですが、2012年1月1日時点ではバージョンには 1.0b, 1.0b+CE, 1.1, 2.0, 2.1, 3.0, 4.0 があります。
1.0b が初期バージョンであり、次のバージョンが 1.0b+CE ですが、1.0b と 1.0b+CE は一部の機器に見られ、本格的に Bluetooth が機器に普及したのは 1.1 からです。
そのため、一般的に Bluetooth のバージョンは、1.1, 2.0, 2.1, 3.0, 4.0 があると言われますので、ここからは 1.0b と 1.0b+CE を省略します。ちなみに、1.0b と 1.0b+CE は、1.1, 2.0, 2.1, 3.0, 4.0 とは互換性がありません。
LE を使用した通信方式は、従来の通信方式とは異なる
Bluetooth は、新しいバージョンで新たな仕様が追加されており、4.0 で全ての仕様が策定されている事になります。3.0 までは、互換性がなくなる仕様は追加されなかったので、1.1, 2.0, 2.1, 3.0 の間であれば、お互いの機器でバージョンが異なっても通信が可能、すなわち互換性がありました。4.0 では、LE(Low Energy)が仕様に追加された点が大きな特徴となりますが、LE は従来よりも大幅に消費電力を抑える事を実現する機能であり、この機能を使用して通信する場合は、従来とは通信方式が異なり通信できません。
LE を使用した通信だけでなく、従来の通信もできるよう機器が実装していれば、互換性がなくなる事はありませんが、Bluetooth ではバージョンに含まれる全ての仕様を実装しなければならない決まりはなく、LE を使用した通信方式のみ実装された Bluetooth 4.0 対応機器があります。
このような Bluetooth 4.0 対応機器は、3.0 以前のバージョンに対応した機器とは通信できませんので互換性がありません。従来の通信方式もできるよう実装された Bluetooth 4.0 対応機器なら、3.0 以前のバージョンに対応した機器と互換性があります。
4.0 では LE 以外にも追加された仕様があり、その仕様は実装し、LE に関しては実装していない Bluetooth 4.0 対応機器、すなわち従来の通信方式のみ実装した Bluetooth 4.0 対応機器があってもおかしくありませんが、個人的には見たことありません。
LE 以外に追加された仕様は、LE と深く関連しますので、Bluetooth 4.0 対応機器であれば、LE の通信方式のみ実装しているか、または LE の通信方式と従来の通信方式を実装していると判断して問題ないと思われます。
Bluetooth 4.0 対応機器 LE の通信方式のみ実装 |
Bluetooth 3.0 対応機器 〜 Bluetooth 1.1 対応機器 |
互換性なし |
Bluetooth 4.0 対応機器 LE の通信方式と従来の通信方式を実装 |
Bluetooth 3.0 対応機器 〜 Bluetooth 1.1 対応機器 |
互換性あり |
ホスト側とクライアント側の実装状況
Bluetooth が使える機器では、基本的にパソコン等がホスト側、周辺機器等がクライアント側となりますが、ホスト側となる機器では Bluetooth 4.0 に対応していれば、たいてい LE の通信方式と従来の通信方式を実装しています。Bluetooth 4.0 に対応しているクライアント側となる機器では、LE の通信方式のみ実装している場合もあれば、LE の通信方式と従来の通信方式を実装している場合もあります。