RADEON は民生用に提供している製品であり、FirePro は業務用に提供している製品です。民生用と業務用では、それぞれの使用用途でビデオチップに求められる性能や機能等が異なり、RADEON と FirePro は、各使用用途に向いた仕様となっています。
nVIDIA 社でも同様にビデオチップを民生用と業務用に分けて提供しており、こちらでは GeForce(ジーフォース)が民生用、Quadro(クアドロ)が業務用となります。また、RADEON と FirePro の違いは、GeForce と Quadro の違いに似ており、RADEON と GeForce、FirePro と Quadro は、それぞれ互いに競合する製品となっています。
以下は、RADEON と FirePro の主な違いです。
ドライバの最適化対象の違い
ビデオチップは、ドライバと呼ばれるソフトウェアによって制御されています。ビデオチップの性能や安定性は、ドライバによって左右される部分もあります。RADEON のドライバは、主に PC ゲームのソフトウェアの使用に最適化されており、FirePro は、主に業務用によく使われる動画編集用ソフトウェアや画像編集用ソフトウェアに最適化されています。
そのため、RADEON では PC ゲームのソフトウェアを得意分野として高速処理を実現し、FirePro では動画編集用ソフトウェアや画像編集用ソフトウェアを得意分野として高速処理を実現します。
認証取得の違い
業務用に使われる動画編集用ソフトウェアや画像編集用ソフトウェアは、数多くのソフトウェアメーカーが提供しています。もし、これらのソフトウェアが正常に動作しないと、業務に大きな支障を来たします。そうならないよう FirePro は、これらのソフトウェアの動作確認が行われ認証を取得しており、互換性を確保しています。マルチディスプレイ環境のサポートの違い
RADEON、FirePro 両者共に、Eyefinity(アイフィニティ)と呼ばれる技術を使用し、マルチディスプレイ環境をサポートしています。RADEON では、マルチディスプレイ環境をサポートしていない製品があったりしますが、FirePro ではどの製品も Eyefinity によるマルチディスプレイ環境をサポートしています。
色深度の違い
RADEON では、色深度 RGB 各色8ビットのカラー出力に対応していますが、FirePro では、色深度 RGB 各色10ビットのカラー出力に対応しています。 RADEON でも、製品によっては色深度 RGB 各色10ビットのカラー出力に対応していますが、FirePro ではどの製品も対応しています。RGB 各色8ビットはフルカラーと呼ばれ、十分な色(約1677万色)を表現可能すが、業務用として使うには十分とは言えません。FirePro では、RGB 各色10ビットのディープカラーに対応する事で、約10億6433万色を表現可能となっており、より滑らかなグラデーションや自然に近い色を再現できます。