無線 LAN があるノートパソコンを選ぶ際は、無線 LAN の規格に注目する必要があります。無線 LAN を利用するには、無線 LAN ルーター等の親機(アクセスポイント)と、ノートパソコン等の子機(無線 LAN アダプタ)で利用する規格が一致している必要があります。(互換性がある規格の場合は、不一致でも無線 LAN で通信可能です。)また、使用環境によっては、適切に規格を選択して無線 LAN を利用しないと、通信速度が出なかったり不安定になったります。
無線 LAN 機能があるノートパソコンが全ての無線 LAN の規格に対応しているとは限りません。自分が使用したい無線 LAN の規格に対応しているか確認して選ぶ必要があります。
無線 LAN の規格一覧
無線 LAN 機能には IEEE802.11g、IEEE802.11b、IEEE802.11a、IEEE802.11n という規格があります。略してそれぞれ g、b、a、n と表記されている場合もあります。以下は、各規格の特徴を簡易にまとめた一覧表です。
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IEEE802.11g |
IEEE802.11b |
IEEE802.11a |
IEEE802.11n |
周波数帯 |
2.4GHz〜2.472GHz |
2.4GHz〜2.472GHz |
5.15GHz〜5.25GHz |
2.4GHz〜2.472GHz 5.15GHz〜5.25GHz |
最高
通信速度 |
54Mbps |
11Mbps |
54Mbps |
600Mbps |
最高
実行速度 |
20Mbps〜25Mbps |
4Mbps〜5Mbps |
20Mbps〜25Mbps |
100Mbps〜 |
11b
互換性 |
○ |
- |
× |
○ |
周波数
干渉性 |
他の家電(電子レンジなど)の影響を受けやすい。 |
他の家電(電子レンジなど)の影響を受けやすい。 |
他の家電(電子レンジなど)の影響を受けにくい。 |
・2.4GHz〜2.472GHz
他の家電(電子レンジなど)の影響を受けやすい。
・5.15GHz〜5.25GHz
他の家電(電子レンジなど)の影響を受けにくい。
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通信距離 |
遠距離に強い(劣化しにくい)。 |
遠距離に強い(劣化しにくい)。 |
遠距離に弱い(劣化しやすい)。 |
・2.4GHz〜2.472GHz
遠距離に強い(劣化しにくい)。
・5.15GHz〜5.25GHz
遠距離に弱い(劣化しやすい)。
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透過性
(障害物) |
障害物に強い。 |
障害物に強い。 |
障害物に弱い。 |
・2.4GHz〜2.472GHz
障害物に強い。
・5.15GHz〜5.25GHz
障害物に弱い。
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IEEE802.11b のみ対応等、一部の規格にしか対応していない場合が見られましたが、今では IEEE802.11g、IEEE802.11b、IEEE802.11a、IEEE802.11n の4つの規格に対応している場合も見られます。あらゆる規格に対応しているノートパソコンを選べれば、使用環境に応じて無線 LAN で使用する規格を選ぶ事ができます。実際に無線通信を行う場所でテストしてみないと、どの規格がベストなのか確実にわかりませんので、あらゆる規格に対応していると万全です。
IEEE802.11g、IEEE802.11b、IEEE802.11n の3つの規格に対応している場合もよく見られます。IEEE802.11a は、周波数干渉性がなく、安定した高速通信が可能ですが、この規格は電波法により屋外で使用できません。屋内で安定した高速通信を行いたいのであれば IEEE802.11a にも対応しているのが望ましいです。
各規格の特徴を見ると、障害物が多く距離が離れてしまう環境では IEEE802.11g か IEEE802.11b が相応しく、無線 LAN ルーター等の親機とノートパソコンの間に床や壁の存在が入ってしまうなら、IEEE802.11a よりも IEEE802.11g か IEEE802.11b の方が安定した通信速度が出る場合がありますが、一般的な住宅内であれば IEEE802.11a の方が安定した通信速度が出る場合があります。
IEEE802.11a に対応していなくても、IEEE802.11n に対応していれば、周波数帯 5.15GHz〜5.25GHz を使って、IEEE802.11a と同様に周波数干渉性がなく、安定した高速通信が可能ですが、IEEE802.11n に対応していても 2.4GHz〜2.472GHz と 5.15GHz〜5.25GHz 両者の周波数帯が使えるとは限りません。IEEE802.11a に対応していないと、IEEE802.11n で周波数帯 5.15GHz〜5.25GHz が使えない場合が多いです。
IEEE802.11g、IEEE802.11b、IEEE802.11a、IEEE802.11n に対応していれば、使用する環境に応じて周波数帯が選べる場合が多いですが、2.4GHz〜2.472GHz と 5.15GHz〜5.25GHz 両者の周波数帯が使えるとは限らないと認識し、片方の周波数帯のみ使える仕様となっていないかどうか、仕様を確認する必要があります。