2010年10月21日に、シャープがパソコン事業から撤退する事を発表しました。
シャープは、ノートパソコンを中心に液晶ディスプレイの独自技術を活かしたモデルを発売してきましたが、採算確保が難しいと判断したため撤退を決めたようです。
シャープでは、薄さに優れたノートパソコンを発売する等、他メーカーと差別化を図ったモデルを積極的に投入してきた印象を受けましたが、パソコンの差別化が難しくなりコモディティ化したため、シェアは思うように伸びなかったと考えられます。
他メーカーとは違った特徴を持つ尖ったパソコンに対するニーズはある程度あったでしょうが、性能の割りに価格が安いという特長が求められている中でシェアを伸ばすのは難しく、他メーカーと同じようなパソコンを発売したとしても激しい価格競争があり、既に国内では大きなシェアを獲得している NEC や富士通、東芝等が存在しており、さらにデルやヒューレッド・パッカード等、海外メーカーも国内でシェアを伸ばしてきている中で勝負を挑むのは無理があったと思われます。
2013年になってノートパソコンの市場を見てみると、Ultrabook(ウルトラブック)と呼ばれる薄型軽量ノートパソコンが普及してきたのが見られます。Ultrabook はインテル社が2011年に提唱した薄型軽量ノートパソコンのカテゴリーであり、薄型軽量に加え性能やセキュリティ機能等に優れたモデルとして広く普及していくだろうと予測されました。
もしシャープが Ultrabook が登場し普及してきた頃までパソコン事業を続けてきたら、シェアを伸ばせる可能性は多少大きかったかもしれません。シャープは、2010年にパソコン事業から撤退する前から薄型軽量に優れたノートパソコンを発売してきましたが、当時は薄型軽量ノートパソコンに搭載できる低発熱 CPU の性能は低く、ユーザーから選ばれない要因の一つになっていたと思われます。
その後 CPU は技術進歩によって性能を犠牲にした低発熱 CPU であっても性能は随分と向上し、動画編集や画像編集、PC ゲーム等、高い負荷がかかる作業に使わなければ、十分な性能を持つようになりました。
もし、技術進歩によって性能向上を果たした CPU を搭載したシャープのノートパソコンが発売されれば、当時よりはユーザーに受け入れられたかもしれません。しかし、他メーカーとの熾烈な価格競争は避けられませんので、採算確保が難しい事に変わりはなかったでしょうから、パソコン事業から撤退しておいて正解だったと思われます。
シャープはパソコン事業から撤退しましたが、Ultrabook と無縁ではありません。シャープは、IGZO 技術を採用した液晶ディスプレイの量産化に成功し、IGZO 液晶ディスプレイは薄型軽量で消費電力が低く、高精細化を実現しやすいため、Ultrabook と非常に相性が良いです。
各パソコンメーカーは、Ultrabook の液晶ディスプレイにシャープの IGZO 液晶ディスプレイを積極的に採用しており、シャープは Ultrabook の発展に大きく貢献しています。
シャープ、パソコン事業から撤退
採算確保が難しくなり、撤退へ
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2019/03/20 更新