56kΩ実装USB変換ケーブルの56kΩとは

USB 変換ケーブルの仕様等に、USB 変換ケーブルに 56kΩ が実装されていることが明記されている USB 変換ケーブルが見られるようになりました。

ここで、USB 端子形状を整理すると、通常サイズの USB Type-A、USB Type-B、これらの小型サイズ版と言える Mini USB Type-A、Mini USB Type-B、Mini USB Type-AB、Mini USB の進化版と言える Micro USB Type-A、Micro USB Type-B、Micro USB Type-AB、通常サイズの USB の後継と言える USB Type-C があります。（2017年7月1日時点）

USB Type-C は、バスパワーで供給可能な最大電力が大幅に向上しましたので、USB Type-C 以外の端子形状の USB 端子は、USB Type-C よりもバスパワーで供給可能な最大電力が低いです。

そこで、USB Type-C 以外の端子形状の USB 端子に、最大電力を超える電力が流れないように、USB Type-C と USB Type-C 以外の USB 端子を変換する USB ケーブルでは、電力供給を受ける側の機器に接続する USB Type-C に 56kΩ の抵抗を実装する必要があると、USB Type-C という規格で決められています。

つまり、56kΩ とは、USB Type-C 以外の USB 端子に、バスパワーで供給可能な最大電力を超える電力が流れないよう防止する抵抗のことです。

電力供給を受ける側の機器が、接続先におけるバスパワーで供給可能な最大電力を知るための抵抗とも言えます。

USB 変換ケーブルに 56kΩ の抵抗が実装されていれば、電力供給を受ける側の機器は、USB 変換ケーブルの先に USB Type-C 以外の端子形状の USB 端子に接続されていることがわかります。

そうわかれば、電力供給を受ける側の機器は、USB Type-C 以外の端子形状の USB 端子が対応するバスパワーで供給可能な最大電力を超える電力が流れないように動作します。

USB Type-C と USB Type-C 以外の USB 端子を変換する組み合わせの中で、以下の組み合わせとなる USB 変換ケーブルに、56kΩ の抵抗が実装されていることが仕様等に明記されている USB 変換ケーブルが見られます。


これらの組み合わせ以外でも、56kΩ の抵抗を実装する必要がある以下の組み合わせが考えられます。


USB Type-C が登場する前から、Micro USB の登場により Mini USB は廃れているので、Mini USB Type-A と USB-Type-C を変換する USB ケーブル、Mini USB Type-B と USB-Type-C を変換する USB ケーブルは見られない状況です。

Micro USB Type-A は、Micro USB Type-AB の登場により Micro USB Type-A を使う必要性がなくなってきたため、Micro USB Type-A と USB-Type-C を変換する USB ケーブルは見られない状況です。

あらゆる USB 変換ケーブルを確認したわけではないので、これらの組み合わせに当てはまる USB 変換ケーブルがあるかもしれませんが、あるとすれば 56kΩ の抵抗を実装する必要があるはずです。

ちなみに、USB Type-B は、電力供給をする側の機器に接続されませんので除外されます。Mini USB Type-AB や Micro USB Type-AB は、USB ケーブルが差し込まれる機器の方に見られる端子形状なので除外されます。

56kΩ が実装されていることが仕様等に明記されていなくても、56kΩ が実装されていないとは限りません。

本来は、56kΩ が実装されているのが正しいので、56kΩ が実装されていても仕様等に明記する必要性はなかったのですが、56kΩ が実装されていない USB 変換ケーブルが出てきて問題になったので、56kΩ 実装が仕様等に明記されている USB 変換ケーブルが出てきました。