ただのACアダプターとスマートACアダプターの違い

ノートパソコン等に使われるACアダプターには、スマートACアダプターと呼ばれるものがあります。明確にスマートACアダプターと呼ばれるものを出しているのは、今のところ Hewlett Packard（ヒューレット・パッカード）のみのようです。（2017年1月1日時点）

後に記載しますが、Hewlett Packard 以外のメーカーでも、スマートACアダプターとは呼ばれていませんがスマートACアダプターに値するACアダプターが見られます。

HP ノートブック PC - Smart AC アダプターについて HPサポートドキュメント−HPサポートセンター によると、ただのACアダプターと違ってスマートACアダプターのDCプラグにはID端子があり、パソコンはID端子を用いてスマートACアダプターを制御し、最適な電力の供給を受けていると記載されています。

さらに、パソコンに対応していないスマートACアダプターを接続した場合の動作例が、2つ記載されています。

（例1）90W以上の電力が必要なHP ノートブック PCに65WのHP Smart AC アダプターを接続した場合、HP ノートブック PCは、電力が不足して、次の動作をします。
a.Windowsで警告メッセージ表示
b.システムのパフォーマンス制限（低下）
c.システムのシャットダウン

（例2）HP ノートブック PCにサポートしていないタイプのHP Smart AC アダプターを接続した場合、HP ノートブック PCは、HP Smart AC アダプターの出力性能にかかわらず不明なACアダプターと認識し電力受給（35〜45W）を制限します。　そのため、次の動作をします。
a.Windowsで警告メッセージ表示
b.システムのパフォーマンス制限（低下）
c.システムのシャットダウン

これらの情報から推測すると、スマートACアダプターの内部に、どの製品なのか識別できるデータが保存されており、パソコンはID端子を用いてデータを読み取り製品を識別し、自身のパソコンに対応しているスマートACアダプターなのか判定し、どのように動作するか決めていると思われます。

私が確認した限りでは、スマートACアダプターという名称は Hewlett Packard のみで見られますが、Hewlett Packard のスマートACアダプターと同様な仕組みを持つと思われるACアダプターは、他のメーカーのパソコンでも見られます。

他のメーカーのスマートACアダプターと思われるACアダプターにも、Hewlett Packard のスマートACアダプターにあるID端子と同じ役割を果たすと思われるものがDCプラグに見られるので、ACアダプター内部に製品識別データが保存されており、そのデータをパソコンは読み取り適切な動作をすると思われます。

自身のパソコンに対応しているスマートACアダプター以外のACアダプターが接続された場合の動作では、非対応のACアダプターが接続されていることを知らせるメッセージが表示されるだけの動作もあれば、ACアダプターからの電力供給での動作はするがバッテリーへの充電は行われない動作、ACアダプターからの電力供給では動作せずバッテリーへの充電も行われない動作が見られます。