ECC 対応メインメモリーの必要性

一般的な使用用途では ECC 対応メインメモリーは不要

ECC 対応メインメモリーでは、ECC(Error Checking and Correcting)機能が使えます。ECC 機能は、メインメモリーで発生したエラーの検出と訂正を行います。ECC 機能を使用するためには、ECC 対応メインメモリーの他に、ECC 対応マザーボードや ECC 対応 CPU も必要となります。

ECC 非対応メインメモリーでは、エラーが発生したら検出も訂正もできません。もしエラーが発生すると、メインメモリー内のデータ破損や、OS やソフトウェアの異常終了が起きます。

ECC 非対応メインメモリーを使用すると問題がありそうですが、一般的な使用用途でパソコンを使うなら ECC 対応メインメモリーの必要性は低いです。不要と言っても良いくらいです。

その理由は、メインメモリーでエラーが発生する確率は非常に低いからです。メインメモリーで発生するエラーは、ハードエラーとソフトエラーに大別できますが、ハードエラーはメインメモリー自体、またはマザーボード等のメインメモリー周辺の PC パーツに問題があるため発生するエラーであり、ハードエラーが起きるなら問題がある PC パーツを交換して解決すべきです。

ソフトエラーは、放射線によって発生するエラーであり、ソフトエラーを防ぎたい場合は、ECC 対応メインメモリーを使用する方が良いですが、ソフトエラーが発生する確率は非常に低いです。

私達の身の回りには、放射線を出す物質が微量に存在していますが、この影響でソフトエラーは起きないよう対策されています。ソフトエラーを起こすのは、宇宙から降り注ぐ放射線、いわゆる宇宙線です。

宇宙線によってソフトエラーが発生する回数は、24時間365日起動し続けても1年回に数回ほどしかありません。一般的な使用用途でパソコンを使うなら、24時間365日起動し続ける人は少ないでしょうし、OS やソフトウェアの不具合で異常終了が起きる可能性の方が高いです。

メインメモリー内のデータ破損が起きるのも気になりますが、一般的な使用用途で使われるソフトウェアでは、破損が起きると問題となるようなデータを、あまりメインメモリーには保存しません。

編集対象となるデータが破損すると問題になりますが、そのようなデータは基本的にストレージに保存されており、メインメモリーには編集の処理で必要となるデータ等、編集対象外のデータが主に保存されます。編集対象外のデータが破損しても、OS やソフトウェアの動作が不安定になったり、異常終了で済みますので、データが失われる事はありません。

そのため、一般的な使用用途でパソコンを使うなら、ECC 対応メインメモリーを使ってもあまり意味は無く、個人向けに販売されているパソコンに搭載されているメインメモリーや、単体のメインメモリーは、ECC 非対応メインメモリーが主流です。

ECC 対応メインメモリーが必要となる例

もし OS やソフトウェアの異常終了が起きる事を極力防ぎたい、またデータが破損すると深刻な問題になる使用用途でパソコンを使うなら、ECC 対応メインメモリーの必要性が高くなります。

例えば、パソコンを24時間365日稼動させてサーバーとして使用し、OS やソフトウェアが異常終了して短時間でも稼動が停止すると困るなら、ECC 対応メインメモリーは必須です。

他にパソコンで何らかのシミュレーションを行う場合、シミュレーション速度を向上させるために、シミュレーション中のデータ(編集対象となるデータ)をメインメモリーに大量に保存し続けながら、シミュレーション処理を実行するなら、シミュレーション途中でデータ破損が起きれば、シミュレーション結果は間違った結果となってしまいますので、ECC 対応メインメモリーは必須です。

シミュレーションが短時間で終わるなら、何度か繰り返して同じ結果が出る事を確認すれば、正しい結果が出ているか簡単に確認できますので、ECC 非対応メインメモリーでも十分ですが、長時間かかる大規模シミュレーションを行うなら、ECC 対応メインメモリーは必須です。

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2023/09/07 更新