アルミニウム製PCケースは、よく冷えるのか

アルミニウムは、熱伝導率が高い金属です。熱伝導率が高いということは、熱をよく伝えるということです。

例えば、アルミニウム製の鍋に水を入れて火にかけると早く沸騰しますが、アルミニウムが火の熱を水によく伝えるからです。

また、アルミニウム製の飲料缶を冷蔵庫に入れると冷えるのが早い、冷蔵庫から出すとぬるくなりやすいのも、アルミニウムが熱をよく伝えるからです。

それなら、アルミニウム製 PC ケースは、PC ケース内部の熱を PC ケース外部によく伝えるので、PC ケース内部の温度が下がりやすく、よく冷えそうですが、よく冷やしたいならアルミニウム製 PC ケースを採用すべきと言えるほどではありません。

PC ケースは、発熱する PC パーツとほぼ接することがないので、基本的に PC ケース内部で高温になった空気の温度を、PC ケース外部の空気へ伝えます。

PC ケース内部の空気は高温になると言っても、PC ケース外部の空気の温度とあまり変わりません。大した温度差がないので、アルミニウム製 PC ケースと熱伝導率が異なる他の金属製 PC ケースと比べても、PC ケース内部の温度の下がりやすさにあまり差は出ません。

PC ケース内部の空気の温度が、PC ケース外部の空気の温度とあまり変わらないのは、冷却ファンでPC ケース内部に空気を通して冷やしているからです。

PC ケース内部の温まった空気を冷却ファンで外に出し、外部の空気を入れて温度を下げるやり方は冷却効果が非常に高く、PC ケースが外部に熱を伝えることにより生じる冷却効果が小さく見えるほどです。

そのため、アルミニウム製PCケースの方が冷えやすいですが、他の金属製 PC ケースと比べたら大した差はなく、総合的な冷却性能で比較するなら冷却ファン次第で簡単に逆転されてしまうほどです。