同じブランド名のCPUでもTDPが異なると性能が異なる

CPU は TDP が大きいほど性能が高い

CPU のブランド名は、CPU の性能の立ち位置を示しています。例えば、インテル社のブランド名 Core i7 の立ち位置は、高性能です。(2017年2月1日時点)

もしインテル社の CPU の中で性能が高い CPU を選びたければ、Core i7 を選べば良いですが、同じブランド名の CPU でも TDP(Thermal Design Power)が異なると性能が大きく異なります。

TDP は、日本語で言うと熱設計電力であり、最大発熱量を示します。簡単に言えば、TDP が大きいほど発熱量が大きいので、CPU を搭載し正常に動作するために必要な冷却性能が高くなります。

CPU は、性能が高いほど発熱量が大きい、すなわち TDP が大きいので、TDP が大きいほど性能が高いですが、同じブランド名の CPU であっても、TDP が異なる CPU がありますので注意が必要です。

TDP が同じ CPU であれば、一般的には性能はほぼ同じと見なして良いですが、TDP は各 CPU に対し厳密に求められたものではなく、TDP が同じくらいの CPU をまとめ、それらに対し同じ TDP が決められています。

そのため、TDP が同じ CPU でも、厳密には各 CPU で TDP が異なっており、実際は無視できないほど TDP の差がある、すなわち性能差がある場合があります。

モバイルパソコン向け CPU は TDP の差が大きい

CPU は、大きく分けてデスクトップパソコン向け CPU とモバイルパソコン向け CPU があります。どちらにも同じブランド名の CPU でも TDP が異なる CPU が見られますが、特にモバイルパソコン向け CPU で見られる TDP の差は大きいです。

例えば、マイクロアーキテクチャ Skylake、ブランド Core i7 に当てはまるモバイルパソコン向け CPU に注目します。

製品 コア数 クロック周波数 最大クロック周波数 TDP
Skylake-H
Core i7-6970HQ 4 2.8GHz 3.7GHz 45W
Core i7-6920HQ 4 2.9GHz 3.8GHz 45W
Core i7-6870HQ 4 2.7GHz 3.6GHz 45W
Core i7-6820HQ 4 2.7GHz 3.6GHz 45W
Core i7-6820HK 4 2.7GHz 3.6GHz 45W
Core i7-6770HQ 4 2.6GHz 3.5GHz 45W
Core i7-6700HQ 4 2.6GHz 3.5GHz 45W
Skylake-U
Core i7-6660U 2 2.4GHz 3.4GHz 15W
Core i7-6567U 2 3.3GHz 3.6GHz 28W
Core i7-6650U 2 2.2GHz 3.4GHz 15W
Core i7-6600U 2 2.6GHz 3.4GHz 15W
Core i7-6560U 2 2.2GHz 3.2GHz 15W
Core i7-6500U 2 2.5GHz 3.1GHz 15W
Skylake-Y
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TDP は、45W、28W、15W が見られます。これらの Core i7 に限って言えば、TDP が同じであっても性能差はありますが、TDP が同じであれば体感するのは難しいほどの性能差であり、ほぼ同じです。

TDP が 45W の Core i7 の性能は、TDP が 15W の Core i7 の性能の約2倍です。同じブランド名の CPU でも、TDP が異なると性能差が大きいことがわかります。

例えば、Core i7-6970HQ 搭載パソコンと Core i7-6660U 搭載パソコンがあった場合、同じブランド名の Core i7 が搭載されていても性能は随分と異なります。

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2023/09/07 更新