光ディスクメディアへのデータ書き込みに使用する光学ドライブは、技術進歩によって倍速値の向上を続けてきましたが、限界があります。
その理由は、倍速値を向上させるためには、光ディスクメディアの回転速度を上げる必要がありますが、ある回転速度に達すると、光ディスクメディアは遠心力によって破損してしまうからです。光ディスクメディアの材質では、約10,000rpm(回転/分)を超えると、光ディスクメディアは破損してしまいます。
これだけでなく、高速回転で発生する光ディスクメディアのブレ、光学ドライブの振動も、倍速値の向上への壁となります。ブレや振動の問題は、光学ドライブの技術進歩によって解決ができますが、遠心力によって破損してしまう問題は、光ディスクメディアに使われる材質を見直さないと解決できません。
現状では、それぞれの光ディスクメディアの倍速値の限界は、以下のとおりです。(2015年12月8日時点)
光ディスクメディア | データ書き込み速度の倍速値の限界 |
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CD | 52倍速 |
DVD | 24倍速 |
BD | 16倍速 |
CD と DVD は、これ以上データ書き込み速度の倍速値が向上する事はないと思われます。CD と DVD は、全く使われなくなるほど廃れたわけではありませんが、古い光ディスクメディアですし、さらに倍速値が向上してもデータ書き込み時間の短縮効果はあまりありません。(詳しくは、 倍速値が大きくなると、書き込み時間の短縮効果が出なくなってくる理由 )BD は、さらにデータ書き込み速度の倍速値が向上するかもしれません。
それぞれの光ディスクメディアの間では、限界となる倍速値が大きく異なっていますが、倍速値の基準が異なるためです。CD では、1秒間に150KB(キロバイト)のデータを書き込める場合、1倍速となります。DVDでは、1秒間に1385KBのデータを書き込める場合、1倍速となります。 BD では、1秒間に4500KBのデータを書き込める場合、1倍速となります。
それぞれの光ディスクメディアには種類がありますが、種類によって倍速値は異なります。上記のデータ書き込み速度の倍速値の限界は、最も倍速値が大きい種類の倍速値を採用しています。例えば、CD には CD-R、CD-RW がありますが、上記のデータ書き込み速度の倍速値の限界は、CD-R のものです。