CPU 処理性能の向上を実現するハイパースレッディング・テクノロジー

ハイパースレッディング・テクノロジー（Hyper Threading Technology ）とは、1つの物理的 CPU を、論理的に2つの CPU が存在するように動作させる技術です。HT テクノロジ等と略され、ハイパースレッディング・テクノロジーに対応した CPU の仕様等には「HT 対応」等と記載されています。

1つの物理的な CPU は、ある処理を行っていても、空いた時間が発生します。ハイパースレッディング・テクノロジーに対応した CPU では、この空いた時間をもう1つの処理に使う事で、あたかも別の CPU が存在するかのようになります。

人間に例えるならば、1人が作業を行いながら、その作業に発生する待ち時間を、別の作業に利用し、もう1人存在するかのように複数の作業を行うと言えます。

ハイパースレッディング・テクノロジーにより、2つの異なる処理を同時に進める事ができるため、2つのソフトウェアを同時に動かした場合、ハイパースレッディング・テクノロジーが無い場合よりも効率的に2つのソフトウェアを動作させる事ができます。

また、1つのソフトウェアを動かす場合でも、ソフトウェア内で複数の処理を同時に進める事で、処理時間を短くする事ができるように作られていれば、ハイパースレッディング・テクノロジーにより処理時間の短縮が可能となります。

最初から最後まで、2つの処理を完全に同時に進められれば、処理時間が半分となり性能が2倍となりますが、CPU の仕組み上、ハイパースレッディング・テクノロジーで常に2つの処理を進める事は困難ですので、そうはなりません。実際は、処理時間が80%くらいになり、性能が20%良くなる程度です。