105℃電解コンデンサ使用電源ユニットを選んだ方が良いのか

コンデンサの役割

電源ユニットにはコンデンサが使われています。コンデンサは、電気を蓄えたり放出したりする部品です。電気を蓄えたり放出する事で、電圧の変化を無くして安定させる事ができます。

電源ユニットは、コンセントから交流電流の供給を受け、直流電流へ変換しています。ここで、電圧が一定な直流電流に変換しているのですが、電圧を一定させるためにコンデンサが使われています。

劣化していく電解コンデンサ

コンデンサには、様々な種類がありますが、電源ユニットには電解コンデンサが使われています。電解コンデンサは、使用に伴い劣化していくため、寿命があります。

電源ユニットには、電解コンデンサ以外にも様々な部品が使われていますが、電解コンデンサが最も早く寿命を迎えやすく、電源ユニットの寿命は電解コンデンサの寿命で決まると言っていいくらいです。

85℃電解コンデンサと105℃電解コンデンサ

電解コンデンサには、使用温度の上限があり、その温度別に85℃電解コンデンサ、105℃電解コンデンサがあります。両者の違いは、高温における使用環境に、どれだけ強いかです。105℃電解コンデンサの方が、使用温度の上限が高いため、高温における耐久性が高いです。

アレニウスの法則で推定できる寿命時間

温度に非常に厳しい環境にでもならない限り、電源ユニットは85℃や105℃といった温度を超える環境で使用される事はないので、85℃電解コンデンサと105℃電解コンデンサどちらの電解コンデンサが使用されていても変わらないと思われますが、電解コンデンサは、劣化の主な原因が温度であるため、アレニウスの法則を当てはめて、寿命を推定する事ができます。

アレニウスの法則によると、使用環境の温度が10℃下がるごとに、寿命が2倍になります。例えば、85℃における寿命が1000時間の85℃電解コンデンサの場合、75度で2000時間、65度で4000時間というように、寿命を推定できます。

105℃における寿命が1000時間の105℃電解コンデンサの場合、95度で2000時間、85℃で4000時間、75度で8000時間というように、寿命を推定できます。

長寿命の85℃電解コンデンサと短寿命の105℃電解コンデンサがあれば話は変わってきますが、電源ユニットに使用されている電解コンデンサに限れば、使用温度の上限における寿命時間は大きく変わりませんので、105℃電解コンデンサの方が寿命が長いと期待できます。

105℃電解コンデンサが使用されているかは参考程度にとどめておく

アレニウスの法則による寿命時間の推定は、メーカーが保証している寿命時間とは異なりますので、推定時間通りに寿命が延びるとまでは保証できませんが、電解コンデンサの温度による寿命は、アレニウスの法則に従う事がよく知られていますので、電源ユニットに105℃電解コンデンサが使用されているかは、注目して見ておいた方が良いです。

ただし、参考程度に見ておくのが無難です。105℃電解コンデンサでも品質が悪ければ、高品質の85℃電解コンデンサよりも早く寿命を迎えてしまう可能性が高いです。また、ほとんど85℃電解コンデンサが使われ、一部だけ105℃電解コンデンサが使われていても、105℃電解コンデンサ使用を売り文句にする電源ユニットもありますので、注意が必要です。

また、無理に105℃電解コンデンサが使用されている電源ユニットを選ぶ必要はありません。夏でも冷房が効いていない暑い部屋のような高温の環境で使う、または発熱量が高い高性能なパソコンを使うとなると、電源ユニットの使用環境の温度が高くなりますので、105℃電解コンデンサが使われている電源ユニットを選ぶのが望ましくなってきますが、そうでなければ85℃電解コンデンサが使用されている電源ユニットでも十分です。

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2023/09/07 更新