AMD Phenom II のモデル･ナンバーの見方

AMD Phenom II は、AMD Phenom の後継となるプロセッサーです。

デスクトップパソコン向けの AMD Phenom II には、デュアルコアの AMD Phenom II X2、トリプルコアの AMD Phenom II X3、クアッドコアの AMD Phenom II X4、ヘキサコアの AMD Phenom II X6 があり、X の後ろの数字はコア数を表します。

ノートパソコン向けの AMD Phenom II もあり、こちらではコア数が複数でも X2 等が付けられていません。

また、AMD Phenom II X6 Black Edition 等、Black Edition が付く製品がありますが、アンロック対応プロセッサー、すなわち倍率固定が解除されている製品である事を表します。Black Edition は BE と略される場合があります。

これら全て総じて AMD Phenom II と呼ばれますが、文脈によってはノートパソコン向けの AMD Phenom II を指します。

AMD Phenom II は開発コードネームで分類すると整理しやすいため、以降は開発コードネームで分けて記載します。

Callisto の AMD Phenom II X2、AMD Phenom II X2 Black Edition はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、デュアルコアです。

4つのコアを持つ CPU として製造され、その中で機能しない2つのコアを無効化した製品です。通常は、機能しないコアが発生してしまった製品は破棄されますが、正常に機能するコアを残し製品として販売する事で、歩留まりを高くし製造コストの削減を実現できます。

AMD Phenom II X2、AMD Phenom II X2 Black Edition のモデル・ナンバーは、「プリフィックス」+「3桁の数字、または2桁の数字」で表されます。

「プリフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなプリフィックスがあります。

B

企業向けプロセッサー。（B は Business class の頭文字。）

「3桁の数字、または2桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。プリフィックスに B が付く製品は2桁の数字となり、それ以外は3桁の数字となります。桁が違う製品同士では、数字の大小比較で、どちらが性能が高いか判断する事はできません。

Heka の AMD Phenom II X3 はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、トリプルコアです。

4つのコアを持つ CPU として製造され、その中で機能しない1つのコアを無効化した製品です。

AMD Phenom II X3 のモデル・ナンバーは、「プリフィックス」+「3桁の数字、または2桁の数字」+「サフィックス」で表されます。

「プリフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなプリフィックスがあります。

B

企業向けプロセッサー。（B は Business class の頭文字。）

「3桁の数字、または2桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。プリフィックスに B が付く製品は2桁の数字となり、それ以外は3桁の数字となります。桁が違う製品同士では、数字の大小比較で、どちらが性能が高いか判断する事はできません。

「サフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなサフィックスがあります。

e

低消費電力プロセッサー。

Deneb の AMD Phenom II X4、AMD Phenom II X4 Black Edition はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、クアッドコアです。

AMD Phenom II X4、AMD Phenom II X4 Black Edition のモデル・ナンバーは、「プリフィックス」+「3桁の数字、または2桁の数字」+「サフィックス」で表されます。

「プリフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなプリフィックスがあります。

B

企業向けプロセッサー。（B は Business class の頭文字。）

「3桁の数字、または2桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。プリフィックスに B が付く製品は2桁の数字となり、それ以外は3桁の数字となります。桁が違う製品同士では、数字の大小比較で、どちらが性能が高いか判断する事はできません。

「サフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなサフィックスがあります。

e

低消費電力プロセッサー。

Thuban の AMD Phenom II X6、AMD Phenom II X6 Black Edition はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、ヘキサコアです。

AMD Phenom II X6、AMD Phenom II X6 Black Edition のモデル・ナンバーは、「4桁の数字」+「サフィックス」で表されます。

「4桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。

「サフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなサフィックスがあります。

T

Turbo CORE 機能搭載プロセッサー。

Thuban の AMD Phenom II X4、AMD Phenom II X4 Black Edition はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、クアッドコアです。

6つのコアを持つ CPU として製造され、その中で機能しない2つのコアを無効化した製品です。

AMD Phenom II X4、AMD Phenom II X4 Black Edition のモデル・ナンバーは、「3桁の数字」+「サフィックス」で表されます。

「3桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。

「サフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなサフィックスがあります。

T

Turbo CORE 機能搭載プロセッサー。

Regor の AMD Phenom II X2 はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、デュアルコアです。

L3 キャッシュが無い製品ですが、L3 キャッシュを持たない CPU として製造された製品です。不良があり機能しない L3 キャッシュを無効化した製品ではありません。

AMD Phenom II X2 のモデル・ナンバーは、「3桁の数字」で表されます。

「3桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。

Propus の AMD Phenom II X4 はデスクトップパソコン向けプロセッサーであり、クアッドコアです。

L3 キャッシュを持つ CPU として製造された製品の中で、不良があり機能しない L3 キャッシュを無効化した製品です。通常は、不良が発生してしまった製品は破棄されますが、L3 キャッシュ以外は正常に機能する製品として販売する事で、歩留まりを高くし製造コストの削減を実現できます。

AMD Phenom II X4 のモデル・ナンバーは、「3桁の数字」で表されます。

「3桁の数字」は、大きいほど性能が高い事を表します。

Champlain の AMD Phenom II はノートパソコン向けプロセッサーであり、デュアルコアの製品とトリプルコアコアの製品、クアッドコアの製品があります。

AMD Phenom II のモデル・ナンバーは、「プリフィックス」+「3桁の数字」で表されます。

「プリフィックス」は、製品の特徴を表します。標準的な製品とは異なる特徴を持つ製品に付けられ、以下のようなプリフィックスがあります。

X

製品名に Black Edition を含むプロセッサー。（TDP 45W。）

N

低消費電力プロセッサー。（TDP 35W、Xよりも低消費電力。）

P

低消費電力プロセッサー。（TDP 25W、Nよりも低消費電力。）

「3桁の数字」の上1桁目の数字は、デュアルコアの製品は6、トリプルコアコアの製品は8、クアッドコアの製品は9となります。

上2桁目からの2桁の数字は、大きいほど同じコア数の製品の中で性能が高い事を表しますが、必ずしも数字が大きい順に性能が高いとは限りません。