なぜスマートフォンはSIMロックされているのか

ユーザーが短期間で別キャリアへ移る事を防ぐ

携帯電話もそうですが、スマートフォンはSIMロックされて販売されています。スマートフォンを使うにはSIMカードが必要ですが、SIMロックされていると別のキャリアのSIMカードが使えません。

例えば、NTTドコモが販売するスマートフォンがSIMロックされているなら、NTTドコモのSIMカードのみ使え、ソフトバンクやKDDI等の別キャリアのSIMカードは使えません。

なぜ各キャリアはSIMロックしてスマートフォンを販売するのか、その理由はユーザーが短期間で別キャリアへ移る事を防ぐためです。

各キャリアでは、多くのスマートフォンを割引して低価格で販売していますが、多くのスマートフォンは高価であり、特に高性能、高機能なスマートフォンは簡単に買える価格ではありません。

そこでキャリアでは、スマートフォンを低価格で販売し、ユーザーが毎月支払う料金で利益を出すようにしています。もしスマートフォンを低価格で販売し、ユーザーが短期間で別キャリアに移ってしまうと赤字になってしまいます。

SIMロック解除の義務化が始まる

もしSIMロックされていないSIMフリースマートフォンが主流になれば、別キャリア移行時にスマートフォンを購入する必要がなくなるため、別キャリアに変更しやすくなるメリットが生じます。

また、ユーザーが別キャリアへ移りやすくなれば、キャリア間の料金競争が激しくなり、料金の引き下げが進むかもしれません。

しかし、ユーザーが短期間で別キャリアへ移る可能性が高くなるため、キャリアはスマートフォンを低価格で販売できなくなるかもしれません。そうなれば、新しいスマートフォン購入時に必要な費用が大きくなります。

SIMフリースマートフォンが普及すれば、スマートフォンを買い替えるユーザーが減るでしょうから、ユーザーやキャリアだけでなく、スマートフォンの開発に関わるメーカーにも影響が及びます。

販売台数が減少するため、高性能、高機能なスマートフォンを積極的に開発するメーカーが減り、そのラインナップが減少したり、スマートフォンの技術進歩が遅くなるかもしれません。

SIMロックとSIMフリー、どちらにもメリットとデメリットがありますが、毎月支払う料金が高いと感じるユーザーは多く、総務省が料金競争を促そうと2015年5月1日にSIMロック解除の義務化を始めました。

しかし、自分が使用したいキャリアを考慮して適切なSIMフリースマートフォンを選び、適切に設定して使う事は、ある程度スマートフォンに詳しくないと難しく、またユーザーはすぐにキャリアを変更する必要はあまりないでしょうから、2015年12月1日時点では、SIMロック解除の義務化の効果が出ているようには見えません。毎月支払う料金に関して見れば、まだまだ高い印象を受けます。


2016/01/08 更新