Bluetooth オーディオ機器は、コーデックで音質が決まるのか

Bluetooth で利用されるコーデック

Bluetooth オーディオ機器には、イヤホンやヘッドフォン、スピーカー等があります。Bluetooth オーディオ機器は、パソコンやスマートフォン等と接続して使用し、音声データは電波を利用して転送されます。

Bluetooth は、消費電力が低いのが大きな特徴ですが、データ転送速度が遅いので、データ量が大きい音声データは圧縮してから転送します。

圧縮にはコーデックが利用され、コーデックによって圧縮方法が異なります。Bluetooth オーディオ機器では、主に以下のコーデックに対応しています。(2016年4月1日時点)

コーデック 音質
SBC(SubBand Codec) 低い
AAC(Advanced Audio Coding) 高い
aptX 高い

音質に関して簡単に言えば、AAC と aptX は SBC よりも音質が落ちません。つまり、SBC よりも、AAC と aptX の方が音質の高さに期待できます。

AAC と aptX は、どちらも音質だけでなく、音声の遅延やノイズも改善されたコーデックであり、どちらの方が音質の高さに期待できるのか決めるのは難しいです。

また、Bluetooth オーディオ機器は、SBC には必ず対応しています。Bluetooth で音声データを転送できるパソコンやスマートフォン等も SBC に必ず対応しています。(2016年4月1日時点)

このおかげでコーデックに関して互換性の有無を気にする必要がありません。もし両者に同じコーデックがなければ、互換性がなくなり接続して使えません。将来、SBC の対応が必須ではなくなるかもしれませんが、そうなれば互換性の有無に気をつける必要が出てきます。

Bluetooth オーディオ機器、パソコンやスマートフォン等では、AAC や aptX に対応しているかは製品によります。両者に同じコーデックがあれば、そのコーデックを利用して音声データを転送できます。

例えば、Bluetooth オーディオ機器が SBC、AAC、aptX に対応しており、スマートフォンが SBC、AAC に対応している場合、SBC と AAC どちらかを利用して音声データを転送できますが、aptX を利用して音声データを転送することはできません。

コーデックよりもハードウェアが音質を左右する

Bluetooth オーディオ機器には、SBC のみ対応している製品や、SBC に限らず AAC や aptX にも対応している製品がありますが、AAC や aptX に対応している製品を使い、かつ AAC や aptX を利用して音声データを転送した方が音質が高いかというと、そうとは限りません。

同じ製品で、SBC に限らず AAC や aptX にも対応しているなら、SBC よりも AAC や aptX を利用した方が音質が高くなりますが(音質が高くなったと実感するのは難しいほど差が出ない場合あり)、コーデックよりもハードウェアの方が音質を左右しますので、比較する製品によっては SBC のみ対応している製品の方が音質が高い場合があります。

例えば、SBC のみ対応しているが音質重視で作られた高価なスピーカーは、SBC に限らず AAC や aptX にも対応しているが音質よりも低コスト優先で作られた安物なスピーカーよりも音質が高い可能性が非常に高いです。 後者の安物スピーカーで、SBC ではなく AAC や aptX を利用してもです。

音質だけでなく音声の遅延やノイズも改善されているので、AAC や aptX に対応している製品を選ぶ方が良いですが、SBC のみ対応の製品は低音質とは限らず、音質重視で作られた製品であれば音質は高いと実感するほどですので、音質重視であっても SBC のみ対応の製品を避ける必要はありません。また、AAC や aptX に対応していれば音質が高いとは限りません。

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2023/09/07 更新