液晶ディスプレイでは、非常に小さい四角形の点が多数集まって画面を表示しており、その点の個数が解像度です。解像度の単位はドットであり、例えば解像度が1080×1920であれば、横に1080ドット、縦に1920ドットの点があります。
同じ画面サイズで比較すれば、解像度が高くなるほど点のサイズが小さくなるので、解像度が高いほど文字や画像、映像等が緻密で滑らかに表示され見やすくなります。
しかし、人間の眼は非常に小さいサイズの点が集まれば、各点を見分けられません。スマートフォンに限らずタブレットやパソコン、液晶テレビでも高解像度化が進んでいますが、ある解像度に達し、さらに解像度が高くなってもあまり変化を感じられない理由は、人間の眼の限界が近づいているからです。
もし人間の眼の限界を超えて、各点のサイズが見分けられないほど小さくなれば、それ以上小さくしても変化を感じられなくなります。
人間の眼の限界を超えるほど解像度が高くなってもデメリットがなければ特に問題ありませんが、液晶ディスプレイは解像度が高くなるほどコストが高くなるため、スマートフォンの価格が上昇します。また、液晶ディスプレイに限らず CPU 等も消費電力が高くなり、発熱量が大きくなります。
そのため、解像度が高すぎるスマートフォンを選ばないようにする事も、重要な選び方の一つとなります。
スマホで1つ1つのドットを識別できないほどの解像度の目安
高解像度化が進むスマートフォン
人間の眼の限界を超えているかは、ドットピッチで判断する
点のサイズは、解像度だけでなく画面サイズにもよります。同じ解像度で比較すれば、画面サイズが大きくなるほど点のサイズも大きくなります。
そのため、点のサイズが人間の眼で見分けられる限界となる解像度は、ドットピッチで表される方の解像度で表されます。ドットピッチとは、1インチ当たりのドット数であり、単位は dpi(dot per inch)ですが、隣り合うドット間の距離で表される場合もあり、その場合には単位mmがよく使われます。
上記では、解像度を横と縦のドット数で表しましたが、分かりやすくするため1インチ当たりのドット数(隣り合うドット間の距離)をドットピッチと呼ぶ事にします。
そのため、点のサイズが人間の眼で見分けられる限界となる解像度は、ドットピッチで表される方の解像度で表されます。ドットピッチとは、1インチ当たりのドット数であり、単位は dpi(dot per inch)ですが、隣り合うドット間の距離で表される場合もあり、その場合には単位mmがよく使われます。
上記では、解像度を横と縦のドット数で表しましたが、分かりやすくするため1インチ当たりのドット数(隣り合うドット間の距離)をドットピッチと呼ぶ事にします。
視力の基準から求める、1つ1つの点を識別できないほどのドットピッチ
どのくらいのドットピッチから、点のサイズが人間の眼で見分けられる限界となるのかは、視力から分かります。
視力検査では、文字Cの切れ目の方向が見分けられるかどうかで視力を測定します。5m離れた場所から幅1.5mmの切れ目の方向が見分けられる場合、視力1.0となります。
5m離れた場所から幅0.75mmの切れ目の方向が見分けられる場合、視力2.0となります。つまり、視力1.0と比較して視力が○倍となれば、見分けられる幅は1/○倍となります。
視力検査は距離を変えながら行うのは非効率なため、文字Cの大きさ、すなわち切れ目の幅を変えながら行いますが、ある視力の基準で距離が○倍になれば見分けられる幅も○倍となります。例えば、視力1.0の人は1m離れた場所から見分けられる幅は0.3mmとなります。
スマートフォンを使う時、人間の眼から離れる距離は人それぞれですが、30cmとすると視力1.0の人は0.09mm(1.5mm×0.3m÷5m=0.09mm)まで、点のサイズを見分けられる事になります。
1インチ当たりのドット数だと、1インチは25.4mmなので約282dpi(25.4mm/0.09mm=282.2222222222222dpi)となります。
もう少し視力が良い人、またはスマートフォンと人間の眼との距離がもう少し縮まる事を考慮すると、約300dpiもあれば十分という事になります。
ちなみに、Apple 社のスマートフォン iPhone 4 にて、Retina ディスプレイと呼ばれる液晶ディスプレイが初登場し、人間の網膜(Retina)の限界を超えた、すなわち1つ1つの点を識別できないほどのドットピッチを持ちましたが、Retina ディスプレイが搭載された iPhone 4 のドットピッチは329dpiであり、約282dpiを余裕で超えているのが分かります。
5m離れた場所から幅0.75mmの切れ目の方向が見分けられる場合、視力2.0となります。つまり、視力1.0と比較して視力が○倍となれば、見分けられる幅は1/○倍となります。
視力検査は距離を変えながら行うのは非効率なため、文字Cの大きさ、すなわち切れ目の幅を変えながら行いますが、ある視力の基準で距離が○倍になれば見分けられる幅も○倍となります。例えば、視力1.0の人は1m離れた場所から見分けられる幅は0.3mmとなります。
スマートフォンを使う時、人間の眼から離れる距離は人それぞれですが、30cmとすると視力1.0の人は0.09mm(1.5mm×0.3m÷5m=0.09mm)まで、点のサイズを見分けられる事になります。
1インチ当たりのドット数だと、1インチは25.4mmなので約282dpi(25.4mm/0.09mm=282.2222222222222dpi)となります。
もう少し視力が良い人、またはスマートフォンと人間の眼との距離がもう少し縮まる事を考慮すると、約300dpiもあれば十分という事になります。
ちなみに、Apple 社のスマートフォン iPhone 4 にて、Retina ディスプレイと呼ばれる液晶ディスプレイが初登場し、人間の網膜(Retina)の限界を超えた、すなわち1つ1つの点を識別できないほどのドットピッチを持ちましたが、Retina ディスプレイが搭載された iPhone 4 のドットピッチは329dpiであり、約282dpiを余裕で超えているのが分かります。
スマートフォンの仕様にドットピッチが記載されていない場合
スマートフォンの仕様には、画面サイズと解像度(横と縦のドット数)は記載されている場合が多いですが、ドットピッチまで記載されていない場合が多いです。
その場合は、自分でドットピッチを計算するか、ドットピッチの計算結果が掲載されているウェブサイトはないか探してみると良いです。
以下は、画面サイズの縦横比が16:9の液晶ディスプレイにおける主な画面サイズと主な解像度ごとのドットピッチです。(7インチ以上だとタブレットになりますが、6インチを超えるスマートフォンもあり参考のため7インチも含めています。)
2016年1月1日時点では、画面サイズの縦横比が16:9の液晶ディスプレイが搭載されたスマートフォンでは、解像度1920×1080が増えており、上記のとおり解像度が1920×1080もあれば300dpiを超えており、1つ1つの点を識別できないほどのドットピッチである事が分かります。(スマートフォンと眼との距離が30cm、かつ視力1.0の場合)
その場合は、自分でドットピッチを計算するか、ドットピッチの計算結果が掲載されているウェブサイトはないか探してみると良いです。
以下は、画面サイズの縦横比が16:9の液晶ディスプレイにおける主な画面サイズと主な解像度ごとのドットピッチです。(7インチ以上だとタブレットになりますが、6インチを超えるスマートフォンもあり参考のため7インチも含めています。)
画面サイズ | 解像度(縦×横) | 縦横比 | ドットピッチ |
---|---|---|---|
3インチ | 1920×1080 | 16:9 | 約734dpi |
4インチ | 1920×1080 | 16:9 | 約551dpi |
5インチ | 1920×1080 | 16:9 | 約441dpi |
6インチ | 1920×1080 | 16:9 | 約367dpi |
7インチ | 1920×1080 | 16:9 | 約315dpi |
画面サイズ | 解像度(縦×横) | 縦横比 | ドットピッチ |
---|---|---|---|
3インチ | 1280×720 | 16:9 | 約490dpi |
4インチ | 1280×720 | 16:9 | 約367dpi |
5インチ | 1280×720 | 16:9 | 約294dpi |
6インチ | 1280×720 | 16:9 | 約245dpi |
7インチ | 1280×720 | 16:9 | 約210dpi |
画面サイズ | 解像度(縦×横) | 縦横比 | ドットピッチ |
---|---|---|---|
3インチ | 1024×576 | 16:9 | 約392dpi |
4インチ | 1024×576 | 16:9 | 約294dpi |
5インチ | 1024×576 | 16:9 | 約235dpi |
6インチ | 1024×576 | 16:9 | 約196dpi |
7インチ | 1024×576 | 16:9 | 約168dpi |
画面サイズ | 解像度(縦×横) | 縦横比 | ドットピッチ |
---|---|---|---|
3インチ | 1136×640 | 16:9 | 約434dpi |
4インチ | 1136×640 | 16:9 | 約326dpi |
5インチ | 1136×640 | 16:9 | 約261dpi |
6インチ | 1136×640 | 16:9 | 約217dpi |
7インチ | 1136×640 | 16:9 | 約186dpi |
画面サイズ | 解像度(縦×横) | 縦横比 | ドットピッチ |
---|---|---|---|
3インチ | 854×480 | 16:9 | 約327dpi |
4インチ | 854×480 | 16:9 | 約245dpi |
5インチ | 854×480 | 16:9 | 約196dpi |
6インチ | 854×480 | 16:9 | 約163dpi |
7インチ | 854×480 | 16:9 | 約140dpi |
2016年1月1日時点では、画面サイズの縦横比が16:9の液晶ディスプレイが搭載されたスマートフォンでは、解像度1920×1080が増えており、上記のとおり解像度が1920×1080もあれば300dpiを超えており、1つ1つの点を識別できないほどのドットピッチである事が分かります。(スマートフォンと眼との距離が30cm、かつ視力1.0の場合)
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2019/03/20 更新