これを実現するのが、DisplayPort のマルチストリーム機能です。マルチストリーム機能は、DisplayPort バージョン1.2 から対応しています。
DisplayPort では、マイクロパケットと呼ばれる分割されたデータを転送します。マルチストリーム機能によって、マイクロパケットにアドレスを入れ、アドレスを割り当てた液晶ディスプレイを指定して、データ転送できるようになります。
この仕組みにより、データを受信した液晶ディスプレイは、どの液晶ディスプレイ宛へのデータなのか判断でき、必要に応じて別の液晶ディスプレイへデータを転送します。
映像出力端子側だけでなく、液晶ディスプレイ側もマルチストリーム機能に対応している必要がありますが、1つの DisplayPort 出力端子があれば、マルチディスプレイ環境を構築できます。
特にノートパソコンやタブレット PC では、サイズが小さいため複数の映像出力端子を搭載するのが難しいですが、DisplayPort 出力端子を搭載し、マルチストリーム機能に対応していれば、トリプルディスプレイ等の3画面以上の同時出力に対応しやすくなります。
ただし、1つの DisplayPort 出力端子から出力できるデータ量の大きさは限度がありますので、マルチストリーム機能による出力対象となる液晶ディスプレイの数が多くなるほど、液晶ディスプレイへ出力可能な最大解像度は低くなります。
マルチストリーム機能に対応した DisplayPort 搭載パソコン、液晶ディスプレイがあれば、以下のように接続できます。このような接続方法をデイジーチェーンと呼びます。
パソコン |
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DisplayPort 出力 |
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(DisplayPort 接続ケーブル) |
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DisplayPort 入力 |
液晶ディスプレイ |
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DisplayPort 出力 |
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(DisplayPort 接続ケーブル) |
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DisplayPort 入力 |
液晶ディスプレイ |
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DisplayPort 出力 |
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(DisplayPort 接続ケーブル) |
DisplayPort 入力 |
液晶ディスプレイ |
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