液晶モニター

液晶モニターとは

液晶モニターとは、パソコンからの出力情報を画面に映し出すためのパソコン周辺機器です。デスクトップパソコン一体型、ノートパソコンなどは液晶モニターがパソコン本体と一緒になっていますので選ぶ必要はありません。また液晶モニターの入力端子とパソコンの出力端子とつなげることができれば、前に使っていた液晶モニターなどを使い続けることも可能です。

ノートパソコンやデスクトップパソコン一体型の液晶モニター

液晶モニターは性能の差によって見え方が違います。同じ液晶モニターでも、性能の違いによってここまで画質が違うのかと思う事が珍しくありません。特にノートパソコンやデスクトップパソコン一体型では、パソコン本体と液晶モニターが一緒になっており、交換することができません。よって画質の高さを求めるのであれば、良い液晶モニターを搭載しているモデルを選ぶ必要があります。

液晶モニターはスペックから画質の高さ等を判断する事が難しいです。実際に液晶モニターを見れば、ある程度画質の高さ等を判断できますが、直販パソコンはショッピングサイトで購入するのが一般的なので、実際に液晶画面を見て確かめるのは難しいです。NECや富士通、ソニーなどの大手メーカー製の一体型やノートパソコンは、他社の同製品と比べると価格が高いと感じると思いますが、液晶モニターにもコストをかけ良い物を搭載していますので、画質のレベルも高いです。よって、液晶画面のスペックも重視して、これらの製品の購入を考えている場合は、NECや富士通、ソニー等の大手メーカー製品の選択を検討してみると良いでしょう。

液晶モニターのパネルサイズ

パネルサイズは液晶モニターの画面の広さを表します。画面が広い方が便利ですが、液晶モニターの設置場所や使用用途によっては、画面が広すぎるのも問題でしょう。おすすめは17型か19型です。価格と性能のバランスに優れ、各メーカーが販売するパソコンに付属する液晶モニターもこのサイズである場合が多いです。

またパネルサイズが19型ワイドというように、ワイド画面となっている液晶モニターがあります。ワイド画面だと、より一層画面を広く使うことが出来ます。例えばウェブサイトとワードやメールなど他のアプリケーションを同時に使うとき、ワイド画面だと左右に並べて同時に閲覧しながら使うことができたり、DVD映画のワイド映像の鑑賞の際はより一層画面に広く映像画面を表示させることができます。

最大解像度

液晶モニターの画面に表示できる範囲の大きさを表します。一度に閲覧できる情報量が多くなるともいえます。しかし、最大解像度が高くてもパネルサイズが小さくては、文字などが小さくなって見づらくなります。パネルサイズを選択するとほぼ自動的に最大解像度も決まってきますので、あまり選択性はありません。

最大解像度は SXGA 1280 × 1024 等と表記されますが、どちらか片方のみ表記されている場合もあります。以下の表は主な解像度の一覧表です。液晶モニターの画面サイズが決まれば自動的に最大解像度も決まる事が多く、売れ筋サイズの17型でSXGA、19型はSXGAかWXGAである事が多いです。

呼び方 解像度
QVGA 320 × 240
VGA 640 × 480
WVGA 800 × 480
SVGA 800 × 600
WSVGA 1024 × 600
XGA 1024 × 768
WXGA 1280 × 768
WXGA+ 1440 × 900
SXGA 1280 × 1024
SXGA+ 1400 × 1050
WSXGA+ 1680 × 1050
UXGA 1600 × 1200
WUXGA 1920 × 1200
QXGA 2048 × 1536
WQXGA 2560 × 1600
QSXGA 2560 × 2048
QUXGA 3200 × 2400

最大表示色

液晶モニターは、液晶画面に様々な色を表示しています。そしてその色を組み合わせて文字や画像を表現しています。この色の数が多いほど画質が良くなります。ほとんどの液晶モニターは1619万色か1677万色が最大表示色となっています。前者は擬似フルカラー、後者はフルカラーとも呼ばれます。しかし、1677万色でも擬似フルカラーとなっている場合があります。

擬似フルカラーでは、液晶モニターが表示できない色を、表示できる色を組み合わせて表現する方法を用いています。光の三原色である赤と緑、青を適当に混ぜ合わせるといろんな色が表現できる事と似ています。擬似フルカラーである液晶モニターでは、FRCと呼ばれる方法を用いており、2つの色をそれぞれ目に見えないほどの速さで交互に表示して残像効果により別の色に見せています。この影響が明らかに出てくる事は少ないですが、画面のちらつきの原因にもなり得る事なので目が疲れやすいと感じる場合もあります。一方フルカラーでは、擬似フルカラーでは直接表現できなかった色も、FRC等を使わなくても直接表現可能です。

フルカラーである1677万色は高価な液晶モニターによく見られ、安価な液晶モニターは1619万色、または擬似フルカラーの1677万色である事が多いです。画像処理等で色の表現を重視する方や、DVD映画やPCゲームをより高画質で楽しみたい方はフルカラーの1677万色を持つ液晶モニターが適しています。また画質にこだわらなくても、長時間液晶モニターを見る事が多い方も目に優しいフルカラーの1677万色が適しています。

輝度

輝度とは画面の最大の明るさを表します。単位はcd/ uとなっています。普通液晶モニターで設定できる最大輝度にして使いません。あまりにも明るすぎて目に負担がかかるからです。しかし、主に液晶モニターでテレビやDVDなどの映像を見るときに輝度の値の大きさが重要になってきます。例えばテレビを見るために製造された液晶テレビだと約500 cd/ uと高輝度になっています。液晶モニターの場合、高輝度だと価格が高めで機種があまりありませんが、動画再生できれいな画質で見たいのであれば、できれば300 cd/ u以上ほしいです。

コントラスト比

白と黒の明るさの違いを示すのがコントラスト比です。この比が大きいほど、くっきりした画質で映ります。画質を重視する方は、コントラスト比が高い液晶モニターがおすすめです。

応答速度

応答速度が速い、すなわちこの数値が小さいほど動きが激しい動画の表示がスムーズです。応答速度が遅いと、動きの速い映像を見るとき残像が起こったりします。よってよくテレビや映画の視聴、PCゲームのプレイに液晶モニターを使う場合、できるだけ応答速度が速いものを選びたいです。

視野角

液晶モニターは真正面から見るものですが、斜めの方向から見る事もあると思います。そのような場合でもしっかりと画面が見えるかを表すのが視野角の大きさです。視野角の大きさは、垂直視野角と水平視野角に分かれて表示されている場合もありますが、上、下、左、右と分かれて表示されている場合もあります。一般に高価な液晶モニターほど視野角が広いです。

姿勢を保って液晶モニターの真正面に顔を向けて使う事が多い方は視野角が狭くても問題ありません。家族そろってなど多人数で、液晶モニターでDVD映画やテレビを視聴したりする場合は、液晶モニターを斜めから見る事になる方も出てきます。視野角が広い液晶モニターなら斜めから見ても十分な画質で楽しめるでしょう。また1人で液晶モニターを使う方も、横になって休みながら液晶モニターでテレビを視聴したりする事もあると思います。そうすると液晶モニターを斜め方向から見る事になってくるでしょう。そのような使い方も考えれば、視野角が広い液晶モニターがあると大変便利です。

ところでスペック表等に書いてある視野角ですが、各メーカーの製品で比べてみると、それほど差が無い事がわかります。価格が安い製品と、価格が高い製品を比べてみても、ほぼ視野角は同じです。なので、価格に関係なくどの液晶モニターも視野角が広いと思えますが、実際は違い、一般的に価格が高い方が視野角が広いと感じます。なぜこうなるかは、恐らく視野角を決める定義が曖昧だからだと思われます。私が知る限り、視野角をどうやって決めているのか、各メーカーで基準が統一されていません。よって、視野角を比較的甘く決めているところが出てくるでしょう。私が購入した価格が安い製品と価格が高い製品を比べてみましたが、明らかに後者の方が、斜めから見た場合と真正面から見た場合の変化が少ないです。前者では、視野角の範囲内でも、色が正常に見えなくなる等の現象が目立ちました。ちなみに視野角は、両者で差はほとんどありません。

入力端子(DVI-D、DVI-I、D-Sub 15pin)

液晶モニターをパソコンと接続して使うために、液晶モニターには入力端子が付いています。入力端子には、デジタル接続のDVI-D(DVI24pin)と、デジタルとアナログ兼用のDVI-I(DVI29pin)のほかにアナログ接続のD-Sub 15pin(アナログRGB)があります。液晶モニターの入力端子に3種類全て付いていることは少なく、1種類(アナログ、デジタルどちらかのみ対応)か2種類(アナログとデジタル両方に対応するため)付いている事が多いです。

液晶モニターを選ぶ際は、この入力端子に注意する必要があります。特にパソコンからの出力がD-Sub 15pinのみの場合は必ず液晶モニターの入力にもD-Sub 15pinがついている事を確認する必要があります。これはアナログからデジタルへの変換が困難なので、接続できない事を防ぐためです。

同様の理由で、パソコンからの出力がDVI-Dのみの場合は、液晶モニターの入力には、DVI-D、またはDVI-Iが付いている必要があります。

パソコンからの出力にDVI-Iがある場合、これはデジタルとアナログ両方に対応していますので、液晶モニターの入力には、DVI-D、DVI-I、D-Sub 15pinのどれかが付いていれば接続可能です。できるだけ高画質で利用したいのであれば、液晶モニターの入力にデジタル接続のDVI-D、DVI-Iが付いている方が良いです。

液晶モニターには複数の入力端子が付いて、かつ液晶モニター側にあるスイッチ等でどちらの入力端子を利用するか決められるモデルもあります。複数のパソコンと接続すれば、接続ケーブルを抜き差しせずに、どちらか一方のパソコンの出力情報に切り替えられます。

HDCP対応

HDCPとは著作権保護技術の一つです。著作権保護されたデジタル放送番組の視聴やブルーレイディスク、HD DVDの映像コンテンツを視聴するためには、パソコン(ビデオカード等)と液晶モニターがHDCPに対応している必要があります。

HDCP対応の液晶モニターでは、入力端子のDVI-D、DVI-IがHDCPに対応している必要があります。著作権保護されたコンテンツの再生に使う場合、または将来その予定がある方は、HDCP対応の液晶モニターを選ぶ必要があります。

現物を見てから購入する

最近の液晶モニターは2〜3万程度の製品でも画質が良いです。さらに高価な液晶モニターは、より画質が良くなりますが、安い液晶モニターでも、それほど画質にこだわらない限り画質に満足できると思います。

と言っても、実際に液晶モニターを見て画質等をチェックしないと、自分が満足できるかわからないものです。そこで実際に液晶モニターを展示しているショップに行って見ると良いでしょう。パソコンを扱っているたいていの家電量販店等なら、実際にテレビ映像やゲーム映像、OS画面等を映しながら液晶モニターを展示しています。ただし展示スペース等の都合上、あまり多くの製品を見比べる事はできないかもしれませんが、安い液晶モニターと高価な液晶モニターを展示し、それらの違いはわかるようになっている場合が多いです。特に安い液晶モニターならセールス価格で大幅に安く売っている事も珍しくないので、その場で購入するのもありです。

私は安価(先の液晶モニターとほぼ同じ価格帯)な液晶モニターを使い続けていますが、インターネットやメール、文書等の編集作業において使う分には満足しています。テレビやDVDの視聴にも使う事がありますが、画質の高さ等十分だと思っています。しかし、ゲーム映像を見ると目が疲れやすい、画像編集ソフトにおいて色の表現が見づらい等、全てにおいて満足しているわけではりません。よって別の液晶モニターを購入し主に映像コンテンツの視聴等に使用していますが、画質の高さ、視野角の広さ等、安価な液晶モニターとの差を感じます。このことから、映像コンテンツの視聴、精確な色表現等が必要であれば、ある程度予算を確保し、良い液晶モニターを購入するのがおすすめです。

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2023/09/07 更新