スマートフォンで Bluetooth を使うメリット

接続ケーブルなしで周辺機器を使える

Bluetooth が搭載された周辺機器なら、接続ケーブルを使わずにスマートフォンとワイヤレスで接続できます。

例えば、スマートフォンにイヤホンやヘッドフォン、ヘッドセットを Bluetooth で接続すれば、煩わしい接続ケーブルがなくなります。また、接続ケーブルを抜き差しする必要がありません。

スマートフォンを上着のポケットに入れてイヤホン等を使うなら、ワイヤレスにしてもあまり変わらないかもしれませんが、スマートフォンをバッグの中に入れるなら、ワイヤレスの方が便利です。

Bluetooth が搭載された周辺機器には、他にも様々ありますが、Bluetooth でワイヤレス接続すれば、さらに便利なものとなります。

ただし、Bluetooth 接続する場合は、最大通信距離内で行う必要があります。最大通信距離内、すなわち Bluetooth の電波が届く範囲内なら、スマートフォンと周辺機器との距離が離れても接続した状態を保てます。

Bluetooth の最大通信距離は Class によって決まりますが、Class1 なら100m、Class2 なら10m、Class3 なら1mです。通信を行う機器同士で Class が異なる場合は、最大通信距離が小さい方に合わせられます。

スマートフォンは、多くのモデルが Class2 対応です。イヤホン等、接続ケーブルがあるモデルも見られる周辺機器も、たいてい Class2 対応です。また、Bluetooth の電波は壁等の障害物を透過しますが、障害物が多いほど、または電波を通しにくい障害物があるほど最大通信距離が短くなります。

多くの周辺機器を同時に接続して使用できる

USB 接続タイプの周辺機器を USB ケーブルを用いてスマートフォンに接続するなら、スマートフォンにある USB 端子に USB ケーブルを挿す必要があります。スマートフォンは小型ですので、USB 端子はあっても1個程度であり、多くの周辺機器を同時に接続して使用できません。

Bluetooth が搭載された周辺機器なら、多くの周辺機器を同時に接続して使用できます。USB ハブを使用する手もありますが、Bluetooth の方が簡単です。ただし、Bluetooth で何台でも同時接続して使用できるわけではありません。

Bluetooth で接続する際は、基本的にスマートフォン側がホスト側、周辺機器側がクライアント側となりますが、1台のホスト側の機器に複数のクライアント側の機器を接続可能です。この同時接続可能な台数ですが、通信方法によって異なります。

Bluetooth の仕様には、規格 Bluetooth 4.0 から、LE(Low Energy)と呼ばれる機能が追加されましたが、この機能 LE を使用して通信し接続する場合は、同時接続可能な台数は実質無制限です。この機能 LE を使用しないで通信し接続する場合は、同時接続可能な台数は最大7台となります。(2016年1月1日時点)

また、同時接続可能な台数が実質無制限であっても最大7台であっても、データ通信量が大きいクライアント側機器と接続すると、ホスト側機器の処理が追いつかず、クライアント側機器を正常に使えなくなってしまう場合があります。その場合は、同時接続する台数を減らせば解決できます。

相手機器へ簡単にデータを転送できる

スマートフォンから別のスマートフォン、またはパソコンやタブレット等の機器に、画像、音声等のデータを転送したい場合、Bluetooth で相手機器と接続すれば、簡単にデータ転送できます。

ただし、相手機器にも Bluetooth が搭載されている必要があり、Bluetooth が搭載されている機器であってもデータ転送できるとは限りません。

また、Bluetooth 接続だと通信速度が遅いので、動画等の容量が大きいデータの転送には時間がかかります。

バッテリー消費量を抑えてテザリングができる

スマートフォンのテザリング機能を利用し、パソコン等をインターネット接続する場合、スマートフォンとパソコン等は無線 LAN 接続でもテザリングできますが、Bluetooth 接続でもテザリングできます。

テザリングをすると、スマートフォンのバッテリー消費量が大きくなり、バッテリー駆動時間が短くなるのが悩みどころですが、Bluetooth の方がバッテリー消費量が小さいです。また、Bluetooth の方が接続設定が簡単です。

ただし、無線 LAN 接続よりも Bluetooth 接続の方が、通信速度が遅くなりますので、容量が大きいデータのやり取りが発生する用途では、通信速度が遅くて快適に通信できません。容量が小さいウェブサイトの閲覧やメールの利用程度であれば、十分快適に通信できます。


2023/09/07 更新