電源ユニット - デスクトップパソコンの選び方
電源ユニットとは
各 PC パーツに電力を供給する
電源ユニットはデスクトップパソコンの心臓的存在です。電源コンセントから得た電力を、パソコンの各パーツに電力を供給する役割を担います。その際に、交流電流から直流電流へ、さらに適切な電圧に変換します。
各 PC パーツが安定して性能を発揮するには、十分な電力供給能力を持つ電源ユニットが欠かせません。
電源ユニットを選択できるかどうか
電源ユニットは、メーカー製パソコンでは選べない
直販ショップで販売されている各デスクトップパソコンには、それぞれ適切な電源ユニットが搭載されています。直販ショップで購入するときは、BTO カスタマイズに対応していて各 PC パーツの変更や増設が可能となっていますが、電源ユニットはモデルを選んだ時点で決まってしまう事が多いです。
特に国内メーカーや海外メーカーの直販ショップで当てはまり、電源ユニットが変更可能なモデルはあまり見られません。そのため、各モデルにはメーカーが決めた適切な電源ユニットが搭載されており、電源ユニットは選択できないと考えておく必要があります。
電源ユニットは、パソコンショップで選べる
ショップブランドを販売しているパソコンショップでは、搭載する電源ユニットが選択できるモデルが多いです。ただし、電源ユニットはデスクトップパソコンタワー型で選べる場合が多く、他のタイプだと選べない場合が多いです。つまり、タワー型を除くデスクトップパソコンでは、モデルごとに搭載される電源ユニットは決まってしまう事が多いです。
その理由として、電源ユニットはデスクトップパソコンタワー型向けの製品が主に流通しており、省スペース型や一体型向けの電源ユニットはあまり流通してない事があげられます。また、省スペース型や一体型は、タワー型のように PC パーツを数多く搭載できず、消費電力が大きい高性能 PC パーツの搭載が難しいですので、電源ユニットを交換して供給電力量を増やすといった必要性が低い事も理由としてあげられます。
もし、電源ユニットにこだわって選びたいのであれば、ショップブランドを販売しているパソコンショップで、デスクトップパソコンタワー型を選ぶと良いです。
購入後に電源ユニットの交換を視野に入れる場合
パソコンの電源ユニットは、後で交換する事が可能です。しかし、PC ケースによっては交換可能な電源ユニットを見つけるのが困難な場合があります。特に国内メーカーや海外メーカーのパソコンには、そのメーカー独自仕様の電源ユニットが搭載されている場合が多く、PC ケース側が独自仕様の電源ユニットに合わせて作られ、市販の電源ユニットが搭載できず、交換が困難となりやすいです。
もし、電源ユニットの交換を視野に入れてパソコンを購入するのであれば、パソコンショップのショップブランドのデスクトップパソコンタワー型がおすすめです。ショップブランドのタワー型は、たいてい汎用的な PC ケースと電源ユニットが使用されていますので、そうであれば市販の電源ユニットとの交換が可能です。タワー型は PC ケース内部スペースが広く、比較的電源ユニットの交換作業がしやすいのもメリットです。
見えづらい電源ユニットの仕様
電源ユニットを選べない場合、パソコンに搭載される電源ユニットのスペックについては、あまり詳しく書かれていない事が多く、せいぜい定格出力の値が書かれているだけで、電源ユニットの仕様は詳細に載っていません。
そのため、購入して中身を見てみないと、電源ユニットの良し悪しがわかりません。パソコンの使用に支障をきたすほど、悪い電源ユニットが搭載される事はありませんが、電源ユニットの良し悪しは、パソコンを使っていても体感しづらくわかりにくいため、コスト削減の対象になりやすく、特に安いデスクトップパソコンだと、安くてその価格に見合った仕様の電源ユニットが搭載されている可能性が高いです。
もし、安さではなく品質を重視し、電源ユニットの仕様をよく確認して選びたいときは、電源ユニットも BTO カスタマイズ可能なパソコンショップで購入するのがおすすめです。
このようなパソコンショップでは電源ユニットについても詳細な仕様を公開している事が多く、たとえ公開していなくても電源ユニットのメーカー名や型番等は公開していますので、これらの情報からウェブサイトで詳細な仕様を調べる事ができます。
総出力ワット数の選び方
電源ユニットのスペックでは、総出力ワット数は載っている事が多いです。BTO カスタマイズで電源ユニットが変更できなければ、そのまま受け入れるしかありませんが、どの直販ショップでも、販売されているパソコンのモデルに相応しい総出力ワット数を持つ電源ユニットが搭載されていますので、そのままで問題はありません。
電源ユニットの変更が可能であれば、総出力ワット数がさらに大きいものに変更した方が良いか検討してみると良いです。特に BTO カスタマイズのときに、PC パーツを増設したり、より性能が高い CPU やビデオカードを選ぶ等して、パソコンの消費電力が上がる場合は電源ユニットの変更をした方が良いです。
変更しなくても、総出力ワット数が足りなくなる事はありません。足りなくなる状態で販売されるような事があれば、販売ショップに問題があります。
しかし、PC パーツの増設や変更をしてパソコンの消費電力が上がり、電源ユニットをそのままにすると、パソコンの消費電力が総出力ワット数に近くなります。総出力ワット数に近い電力を供給する状態が長く続くと、発熱量の増大により電源ユニットの劣化が速くなって寿命が縮み、電源ユニットの冷却ファンの回転数が上がり騒音レベルの上昇の原因にもなります。
また、電源ユニットは、使用年数が経ってくると、総出力ワット数が多少落ちてきますので、総出力ワット数には余裕を持たせて選びたいです。
80PLUS ランクの選び方
電源ユニットの中には、80PLUS 認証電源ユニットと呼ばれるものがあります。これは、交流電源から直流電源に変換する効率が80%以上の電源ユニットである事を意味します。変換効率が高いという事は、無駄な消費電力が少ないという事です。これは、消費電力と発熱量の抑制につながり、発熱による部品の劣化の減少や、冷却ファンの回転数の減少による騒音レベルの低下を実現できます。
80PLUS 認証を取得するには、高い技術力を必要とし、電源ユニット内部の品質を高めないと、高い変換効率を実現できません。そのため、80PLUS 認証電源ユニットは、品質の高さ、信頼性の高さの目印になりますので、電源ユニットの品質、信頼性を重視するなら、80PLUS 認証に注目して選ぶと良いです。
80PLUS 認証電源ユニットには、クリアした変換効率に応じてランクが付けられており、上位のランクほど変換効率が高いです。80PLUS 認証を取得していない電源ユニットの場合は、ランクが付きません。
80PLUS 認証を取得していない電源ユニットでも十分使っていけますが、変換効率の高さや品質、信頼性を重視するなら、80PLUS 認証電源ユニットを搭載するモデルを選ぶと良いです。80PLUS 認証電源ユニットを搭載していなくても、BTO カスタマイズで電源ユニットを変更可能であれば、80PLUS 認証電源ユニットを選べる場合があります。
以下は、80 PLUS のランク一覧です。それぞれの電源負荷率で、クリアする必要がある変換効率を記載しています。80PLUS スタンダードは、スタンダードを入れず、単に 80 PLUS とも呼ばれます。
変換効率が約10%違うだけでも、消費電力に大きな差が出ますので、80 PLUS プラチナの電源ユニットを推奨したいところですが、価格がかなり高くなりますので、80PLUS スタンダードか 80PLUS ブロンズが選択の目安になってきます。予算に余裕があれば、さらに上位のランクが付いた電源ユニットの選択がおすすめです。
80 PLUS ランク |
変換効率 電源負荷率 20% |
変換効率 電源負荷率 50% |
変換効率 電源負荷率 100% |
80 PLUS スタンダード |
80% |
80% |
80% |
80 PLUS ブロンズ |
82% |
85% |
82% |
80 PLUS シルバー |
85% |
88% |
85% |
80 PLUS ゴールド |
87% |
90% |
87% |
80 PLUS プラチナ |
90% |
92% |
89% |
騒音レベルの選び方
電源ユニットは、パソコンから発生する動作音の元となる PC パーツの1つです。電源ユニットの動作音の大きさは、仕様から判断するために騒音レベルとして表され、単位は dB (デシベル)となります。どの電源ユニットも 40dB 以下であり、 20dB 台であれば静かな方です。
パソコンの静かさにこだわらないのであれば、電源ユニットの騒音レベルについて気にする必要はありません。もし、静音性にこだわるのであれば、BTO カスタマイズで静音の電源ユニットへ変更しておくと良いです。
静音の電源ユニットへ変更できない場合、静音を売りにしたモデルを販売している直販ショップもありますので、そちらを選択するのも手です。静音パソコンには、電源ユニットから発生する動作音を少しでも抑えるために、騒音レベルが低い静音性に定評のある電源ユニットが搭載されている可能性が高いです。
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2023/09/07 更新